てんかん持ちOLの徒然日記

気の向くまま。

『エリザベート』劇場感想

 もはやだいぶ今更ではありますが、『エリザベート』について語っていこうと思います。

 

 宝塚はわりと聞いたことはあったので、一度は観に行きたいと思っていました。

特に看板作品の『ベルサイユのばら』と『エリザベート』。例えヅカそのものにはまらなくても、この二作品だけは観たかった。

 以前にも述べましたが、初観劇は月組公演『1789 バスティーユの恋人たち』です。ただドはまりはしなかった。友達にヅカ知識を教わりつつ観劇して、感想としては「好き~(#^^#)」ぐらいの気持ち。どっちかというと観劇者の女性陣の割合とか劇場の雰囲気に圧倒されました。

 次に観に行ったのも三年後くらいの宙組公演『神々の大地』。ここです。一人で観に行って、号泣しました。いやマジで。なんで泣いたのか未だによく分かりません。ただ一人で観に行ってしまおうと思うくらいには精神的に疲れていて、癒しや気分転換を求めていた記憶があります。私にとって宝塚のチケットを一人でとって、一人で観に行くことは当時とてもハードルの高いことでした。

 そして泣いた。舞台に出ている人誰もわかんなかったけど(かろうじてトップの朝夏まなとが分かるけど、なぜトップ娘役が存在していないのか分からなかったし、退団公演だということもあとから知った、そんなレベル)、でも号泣だったのです。舞台がキラキラしててみんな輝いていて、BEAUTIFUL WORLD!!!って思った。私は舞台に未来への希望をみました。明日からも頑張ろうって感じた。

 ここからですね。割とマジでドはまりしたのは。宝塚ブログを読んだりして、凄い速さで知識を吸収しました。最初は「全員同じメイクで区別つかない~」とかいってたのに、次第にどの組にどんなスターがいるのか、するする名前が出てくるレベルまでいってしまいました。

 

 エリザベートの上映十回目が発表されたとき、それが月組トップ娘役愛希れいかの退団公演だと知って、膝から崩れ落ちかけました。「いや、絶対取れへんやん」。演目がエリザベートというだけでとれないのに(ファントムもそう!)、退団公演!しかもちゃぴ!友の会にも入ってない自分がいけるはずもなく、もはや諦めムード…。

 ただ、そこで、「そういえばVISAカードは持っていたから、貸切公演はいけるかも?」と思い立ちました。ただ応募方法がいまいち分からず、宝塚に詳しい友達がいたので聞いてみることにしました。

 そこで予想外に彼女の台詞(ってか返信)が、「ファンクラブで取次をお願いしてみるね!」。

 

(;゚Д゚)(;゚Д゚)????

 

 ファンクラブ…友の会かと思えば、それではないらしい。どゆこと?と思ってネットサーフィンしてみたら、色々チケットに関する深い闇が広がっていました…。まさに「闇がひろがる」状態。ちょっと怖かったので途中で調べるのをやめて、そのお友達にお願いして、取り次いでいただきました。

 その後、友達から「チケット確保したよ!」というご連絡がありましたが、当日観に行けるまで心臓バクバクでした。いつもは手元にチケットあるからお気楽に楽しみ状態だったけど、当日引き換えとのことでしたし、ファンクラブ経由の仕組みがいまいち分からない(微妙に知りたくない)。当日になって観れなくなったみたいになったらダメージがデカすぎるので、だめになったパターンも自分でシミュレーションするレベルでした(苦笑)。

 

 そして迎えた当日。劇場でチケットを無事!引き換えてもらいました(まさか自分があのファンクラブの列に並ぶことになるとは思いませんでした…)。ファンクラブ経由だとS席になるという話を聞いていたのですが、人気作だとそうでもない?ということで、いざチケットを確認してみると…二階B席!!どんだけ人気なのエリザベート!やばいな!でも観れるだけでも十分嬉しいから、ありがとう友達!!

 エリザベートのストーリーはあらすじをざっと読んだだけでほぼ未知。本当は過去の宙組とか花組を観て勉強しようかと思ったのですが、余計な先入観がない方が楽しめるかと思い、特になにもしませんでした。

 

劇場の感想を以下箇条書きで…

・二階B席でしたが、ほぼ真ん中とあって全体を把握できるとてもいい席でした。舞台セットの使い方をみるのが好きなので個人的には良席。

エリザベート(愛希れいか)

 オペラグラスはずっとちゃぴを追っていたので、私にとっては正直ちゃぴが主役でした。「私だけに」はさすが(そもそもなぜあそこにナイフがあるんだ)。高音もしっかり出てて圧巻。少女→母への移り変わりをしっかりと演じていました。声の出し方と話し方を変えているのがさすが。結婚式の誓いの言葉で返事の「はい」がエコーで反響する演出はぞくっとしました。鏡の間のドレス姿は本当に美しくて圧巻。1789もそうだったけど、ああいう背景の鏡に後ろ姿がうつる構図に自分は弱いみたいです笑

トート(珠城りょう)

 曲の歌いだしが低音で難しくてやや心配になる場面も…。音とるの難しい曲ばっかりですね。黄泉の帝王だけど、恐ろしいとか冷たいという感じはしなくて。個人的にはトートは元・人間っていう印象でした。エリザベートの人生の節目節目に出てくるので「暇なんやな」とか衣装が変わる度に「ファッションに気を使われてるのね」って思いながら観てました。好きな女性に会いにいっているのだから、そらお洒落にもなるか。口説きにいってる訳ですし。

 「扉をあけて」のシーンで、ずっと屏風?に隠れていたのかと思うと微妙に笑けてしまう上に、シシィに出てって!と言われて大人しく扉から出ていくところもなんだか可愛かったです。黄泉の帝王なのに普通にドア開けて出ていきよったww でも階段を下りていくときにセットが回転するんですよね…。ぐらっとならずに普通に降りてたのですごいなーと思いました。

 トートに関しては割と疑問点が多くて、まずルドルフの自殺幇助をしたこと。将を射んとする者はまず馬を射よ?でしょうか。ルドルフを先に片づけたらシシィも手に入ると思って、ルドルフを死に誘ったのでしょうか?次に、ルドルフの死に絶望したシシィに対して「死は逃げ場ではない!!」と拒絶するところ。ここは本当に「(;・∀・)????」という状態で…。いやシシィ手に入りそうやったのに…なんで拒絶したん…。よく分からん。逃げ場ではなく自分を愛したうえで自分のところに来てほしかった、という解釈をしましたが、それだとトート人間味溢れすぎちゃう気がする…難しい…。

フランツ(美弥るりか)

 あまり目立たない印象。最初の審議シーンの「許可する!」はまじで「きょかする!」のひらがなでした。フランツの仕事で忙しい状況も理解できるので、シシィもちょっとは寄り添ってあげて…と同情。

 

ルキーニ(月城かなと)

 ストーリーテラーと狂気を一体化させるのって難しいですね…。この重い名作のキーパーソンなので、彼が出てくるとほっとしました。コメディ要素というか。あとイケメン。月城かなとさんのお顔すごい好み。推し候補。「キッシュ」楽しい。

 

・ルドルフ(暁千星)

 子役の方は顔があまり好きではないけど、歌はお上手でした(ビジュアルだと宙組子ドルフが圧倒的すぎる)。青年期のルドルフだと「闇が広がる」でトートに蹴られてから、予想以上に転がっていたので笑いかけました。思ってたよりルドルフって場面少ないんですね。歌が上手い。伸びる。劇場に響いていました。

 

・一幕終わってから感じたのは、圧倒的な疲労感でした。疲れた…。オペラグラスで役者を追うのも疲れるし、ストーリー展開についていくのも疲れる。悲恋ものだけど、名作だけあって重厚。ずっしりとくる。歌が多いとはきいていたけどここまでとは。『レ・ミゼラブル』の映画をみたことあるけど、あれと同じくらい疲れる。

・最後のパレードついてるのはやっぱり嬉しいですね。後味よく家に帰れる感じ。それにあの大階段と羽根がないと宝塚をみた!っていう感じにならないし。

 

とまぁ、劇場観劇の感想はここまでにしておいて(予想外に長くなった)、次は東京劇場千秋楽ライブビューイングの感想に移りたいと思います!