皆さんこんにちは、夕影です。
初!星組の、『ロミオとジュリエット』の感想です。ライブで拝見しました。
星組さんのロックオペラモーツァルトは何となく観たけど、生放送だと初。そのうち劇場で観て、全組コンプリートしたい。
さて、ロミジュリもまた初観劇。シェイクスピアのストーリーをぼんやり知っているぐらい。宝塚の設定として「愛」と「死」がいると知った時は???が頭の中を飛び交いました。
先入観なく見たかったので、過去の作品は未履修です。
では感想行きますが、辛口なところもあるのでご了承ください。
ちなみに私の中のMVPは愛月ひかるの死です。
1. ロミオ(礼真琴)
圧倒的です。真ん中がこれほど似合う主人公も、それに合うタカラジェンヌもそうそういない。
少し童顔で甘い顔なのがロミオにぴったり。無邪気。表情がコロコロ変わって飽きさせない。本人のウリと役がぴったりとマッチしていると感じました。
それから素晴らしい歌の数々。伸びやか。耳が幸せでした。望海風斗亡き後(死んでない)の劇団を歌の面でしっかり支えてくれるでしょう。
今は全般的に(特にこの作品は)爽やかさを出してますが、年々渋みや円熟感が増すことが今から楽しみでしょうがない。
「世界の王」で出てくるモーツァルトみが凄かった(笑)。結婚式をあげる際にジュリエットと合流したときの、幸せに満ち足りた表情が印象に残っています。
衣装はモンタギューらしい青一色。これから冒険に行く勇者みたいだった。色々ご意見がありましたが、私はこの衣装普通に好きです。先入観がないからかな。
髪型もポスターよりは青みが抑えられていました。ジュリエットが16歳設定だったので、ロミオはそれより年上だと思うけど、物語の行動が若すぎて15歳ぐらいでいいんじゃないかなー。眩しい。ただただ眩しい。
そしてフィナーレ。ロミオの若さ、少年っぷりを一気に脱ぎさり、宝塚らしい、そして星組らしい(のか?)ギラギラした男役。あーこれ!これを観に行きましたー!ってテンション爆上がり。
自分を指さして「ヴェローナ」と囁いた辺りで、私の意識も吹っ飛びました。あそこの瞬間のために通える、と思いました。
2. ジュリエット(舞空瞳)
直情型ジュリエットでした。
私が想像していた運命に翻弄される力のない少女ではなく、自分の感情のままに突っ走った意思の強いジュリエットでした。その突っ走り方もまた若さ…。
バルコニーのシーンで乳母の呼びかけにドスのきいた声で返事してましたね。特に2回目。ちょっと好きじゃない。そのあとのロミオと声音が変わりすぎて二重人格みたいだった。
口を手にあてる動作が多かったですね。その手、腕の細さに毎回驚きます。演技が下手だとは思わないけど、礼真琴に比べるとややオーバーにみえました。
仮面舞踏会の衣装はまたコメントしづらい。宝塚ってちょいちょい理解不明な衣装作る。そもそも世界観としてミニスカが受け入れられない。曲には合ってるけど、世界観と違うんだよなー。難しい。
フィナーレのデュエットダンス素晴らしかった。今まで観た中で史上最高の難易度。特に客席から舞台に戻っていくところの揃い方がまた凄い。腕に筋肉しかないのがよく分かる。ひっとんは今回芝居のなかで踊らないので、ここで解き放たれたようにバキバキに踊ってますね。次はショーがみたいな。
3. 死(愛月ひかる)
MVP。
視線泥棒。
存在感。
ひやりとした視線とニヒルな笑い方。
マキューシオの死の動作から、魂を食べた?ような振り付けを感じました。台詞は一つもないのに、存在感抜群。トート閣下にしか見えなかったけど、そこまで物語に干渉はしてこなかった。
死が登場するとついつい目で追ってしまう。彼が来た意味とは…?とハラハラしながら劇をみました。おかげでロミオが歌う「僕は怖い」がかなり説得力がありました。ロミオを後ろから包むような体格差がよく、舞台によく映える。
個人的にびっくりしたのはフィナーレで歌ったこと!「あ、歌うんだ!」と笑いそうになりました。しかもどこの曲なのか思い出せませんでした。娘役を引き連れて階段でどーんとポーズ決めているのが格好良かったです。
2番手が死を演じるのは珍しいそうですが、この配役に感謝。私的にはティボルトよりも印象に残っているのですが、A日程みたらまた感想変わるかな?
4. その他雑感
私の中の歌うまは望海風斗、真彩希帆、星風まどか、そして礼真琴などが該当するんですけど、星組はやや歌唱力が弱い。特にモンタギュー夫人・キャピレット夫人は残念。組全体的に弱いかな。宙組のコーラスがよかったので、そこと比べてしまう。礼真琴が上手いだけに差が目立つ…。マーキューシオの歌も下手なので響かなかった。ベンヴォーリオはよかったです。貴重な歌える人材。顔が好きじゃないけど。
愛も可愛らしくてよかったけど、誰がやってもあんな感じになりそう。男役なんですねー。
・ティボルト(瀬央ゆりあ)
うーん…?
触れたら危ないのは瞳孔開きっぱなしだったりして分かるけど、思ってたより退場が早かったな。何をあんなに拗らせたのか。
設定だけあって背景がよく分からなかった。謎。
・乳母(有沙瞳)
よかった。さすがの一言。舞台の安心感が一気に増す。「もう死んじまいましたがね~」の言い方なんて乳母そのもの!
この舞台は主人公二人が若すぎて共感できなかったので、乳母に親近感わいてました。
ぶっちゃけ脚本が嫌いですね。周りを鑑みず突っ走っちゃう真ん中2人に対して、「もうちょっと家のことも考えろよ」って言いたくなる。感情移入できない。もちろんタカラジェンヌは悪くないです。もっと自分が高校生ぐらいのときにみたら感想変わるかな、「一途な愛、素敵!」ってなってたかもしれない。
ただこの未完成なロミジュリを演じるにあたり、こっとんコンビ2作目にあててきた劇団はさすがですね。3作目に大作を持ってくるパターンが多いけど、2作目だからこその未熟感がいい具合にロミジュリに合ってました。
歌は好きです。だからこそ組子がいまいち歌いこなせていないのが残念でならない…。
役替わりA日程みてないので、比較で是非みたいです。円盤はフィナーレだけほしいな。B日程もちゃんと収録されるなら購入を検討するかも。
おしまい。