てんかん持ちOLの徒然日記

気の向くまま。

宙組『アナスタシア』観劇感想(※ネタバレあり)

 皆さんこんにちは、夕影です。

 今回は最近観劇した宝塚歌劇団宙組『アナスタシア』について、感想を述べていきたいと思います!

 実はブログ書く予定なんてなかったのですが、予想以上に素晴らしかったのでこの興奮を記憶しておきたいと思った次第です。情熱のままに書いていきたいので文章がグダグダになりそうですが、ご容赦ください。

 

kageki.hankyu.co.jp

 

 宙組は2作目のルネサンス以来なので、2年ぶり…?とか(あっという間でびっくり)。それにしてもロシアばっかり行ってる印象です(笑)。

 個人的には一本物が好きなので、BWなら外れはないだろ!と思って一人で乗り込んで参りました。

 それでは感想行きます!

 

 

1、圧倒的コーラス

 これに尽きるでしょう。いつものメンバーより人が減っているはずなのに、歌の伸びが大変素晴らしかった!!B席ほぼ最後列でしたが十分聴きごたえがありました。「歌を届ける」とはこういうことだったのか、としみじみ実感。宙組はあまり歌のイメージはなかったのですが、いい意味で裏切られました。

 しかも元がBW。予想通り曲がとてもしっかりしていました。ソロ曲でもいえることですが分かりやすいメロディラインで初心者に優しい。正直観劇はライビュでいいかと思っていましたが、劇場に足を運んで本当によかった。宙組全員からのエネルギーを存分に受け取ることができました。これのためにもっと通いたいぐらいです。

 個人的にはロシア音楽が好きです。壮大でディズニー感がありながらも、どこか仄暗い革命の響き…。公演時期が夏から冬にズレたのも、もはや運命なのでは?と思うぐらい今の時期にぴったりです。

 

2、キャスト別感想

・ディミトリ:真風涼帆

 円熟感が出てきました。相変わらずのスタイルの良さはもはや今更ですが、安定感が加わりました。ディミトリは恵まれない環境でも、詐欺師としてなんとか生き抜いてきた苦労人。悪巧みを企てるも最後は家族思い。いい人です、いやほんとに。好青年を演じていました。今まで見てきた『天は赤い河のほとり』『異人たちのルネサンス』は、ききちゃんのほうが印象に残るお役で食われ気味に見えたけど、今作はアナスタシアと並んでも遜色のないぐらい主人公感がありました。

 歌…はちょっとまだ探り探りかもしれない。やや心配な部分も。毎日歌いこんで、千秋楽の頃にはもっと良くなっているはずです。

 パリ編開始直後の青のスーツ姿。『オーシャンズ11』を彷彿とさせる。スーツ専門店の春物カタログかと思いました。お似合いですね。足長い(今更)。

 

・アナスタシア:星風まどか

 当たり役です。さすがの一言。

 完全なるストレスフリーのお歌。歌姫です。まどかちゃんは本当に優等生で穴がない。ただトップをたてる印象が強く個性を今まで感じませんでした。今回はもう全開!!この役に対する意気込みを感じました。代表作になるでしょう、CD出してほしい。感情を歌にのせていましたし、高音も問題なし。アナスタシアの気持ちが非常に伝わってきました。まさにディズニープリンセス

 皇太后に謁見するための紺のドレスは、アニメ映画によく似ていて嬉しかったです。今までみすばらしい衣装だったので更に映えます。最後のピンクドレスも可愛い。フィナーレのデュエットダンスの水色の衣装も素敵でした。片方は王道の白の長袖、もう片方はアラビア風に膨らみつつも真ん中にスリットが入っていて二の腕に金の腕輪が二個はまっていました。なかなか珍しい形ですが面白くて好きです。

 酔ったディミトリの友人と喧嘩になりかけた時は、棒で追い払う勇敢な一面も。「強いな…」とディミトリに感心され、「パリから歩いてきたのよ!」と苦労を滲ませる台詞。この辺の守られるだけじゃないお姫様像がかなり好きですね。

 

・グレブ:芹香斗亜

 出番が少ない…(泣)。メインキャストとの絡みがまどかちゃんだけとは。ききちゃん目当ての人には物足りないかも。

 迫力ある歌を朗々と歌い上げていました。思ってたより声が高かったです。軍服がお似合いです。

 唯一ある笑いどころ(?)が見せ場。あれ毎回変えるのかな、エリザベートのルキーニみたいに。大変だけど頑張って!

 

・ヴラド:桜木みなと

 美味しい役。暗くなりがちなミュージカルのコメディ担当。白髪が滲んだ眼鏡のイケオジ。白のスーツが似合ってました。グレブがエリザベートにおけるフランツであるならば、こちらはルキーニです。皮肉っぽさはないけど。でも、それぐらい出番が多かった。この作品は今後も再演されそうなので、ルキーニ伝説ならぬヴラド伝説ができそう。楽しい空気にしてくれるから彼が舞台にいると安心しますね。ファンが一気に増えそうですし、劇団から推されているのも感じます。

 フィナーレは歌唱指導。衣装がかなり淡い緑でスレイマンを連想しました。

 

・リリー:和希そら

 美味しい役2。実質娘2です。名前は知っていたのですが認識したのは今回が初です。評判通り、舞台技術が素晴らしい。女声も違和感なし。ドスのきいた声も安定していて、出るところは出る、抑えるところは抑える、という舞台のメリハリがよかった。実力者です。正直ビジュアルが好みではないですが、芝居・歌・ダンスが良い。上に行ってほしいし、劇団に大切にしてほしい。

 フィナーレも娘役のままだったのが、ちょっとびっくりしました。戻らないのか。

 

3、その他

・「ナナ」ことマリア皇太后演じる寿つかさ。正直出番がききちゃんより多いのでは…?退団公演か?と一瞬疑ってしまうレベル。舞台をしっかり締める大事な役どころです。歌もお上手ですし、老女としての声の出し方はさすが。美味しい役3といっていいかも。

・フィナーレのロケットは、今まで一番好みの衣装でした!ピンクの羽根に、グラデーションの緑かな?可愛かったです。登場の仕方も一風変わっていて意外性がありました。人数少ない!と一番実感させられました。東京からは増えるのかな。

・フィナーレのダンス。赤と黒の衣装だけど、男役はズボンがだらんとしていて面白かった。王道からは外れていますが、作品が王道ど真ん中だったので遊び心ありといった感じで飽きさせない感じ。色味はスパニッシュ感ありましたが、娘役の黒のロングドレスの模様はロシア寄りでしたね。

・舞台装置だと汽車の場面が印象的。窓から歌うシーンなんてディズニーそのものです。くるくる外と中が回ってコミカル。こんな魅せ方があるのかと、感心しました。飛び降り方はもっと迫力ある感じにできそうですけどね。『白鳥の湖』の観劇シーンも構図が面白かったです。ジークフリート(亜音有星)が凄い勢いで登場したので、ちょっと笑いそうになりました(褒めてます)。

・予想以上に歌が多かった!エリザベート初観劇並みのぐったり感を久々に味わいました。元々多いのに加え、ディミトリ用に追加した楽曲もあるのでしょう。途中ソロ歌が連続したシーンがあって、話の流れを一瞬忘れました。

 

 全体的に今の宙組にとても合っていた演目だと思います。ひたむきな少女アーニャを導く、大人なディミトリの関係性が今のトップ二人にぴったりでした。本当によかったので、できればチケット追加か円盤が欲しい所です。

 初めての人でも入りやすい本当に素敵な作品となっております。まだチケットはありますので、迷っている方がおられましたら是非!おすすめです!!(まさかの約3000字)