てんかん持ちOLの徒然日記

気の向くまま。

『エリザベート』LV感想

 予告通り、ライブビューイング(以下、LVとします)の感想です。

 

 さて、LVですが。この制度がいつから始まったのか知らないのですが、個人的には超嬉しい制度。一度でいいから千秋楽というものに立ち会ってみたかったのです。チケットとれて本当によかった…。

 音響とかカメラワークに酔ったりしないかやや心配だったのですが、結論としてはとてもよかったです。歌に関しては生歌をやはり劇場で!という意見があると思いますが、残念ながら自分耳があまりよくないので、映画館の音響で満足してしまいました。そもそも劇場でみるときもそこまで歌を重視していない(もちろん上手に越したことはない)ので、okです。カメラワークも酔うこともなく、安心して楽しめました。

何よりよかったのがオペラグラスがいらないこと!苦労せずに演者の細かい表情の動きを映画館の大スクリーンでみれて、とても幸せでした。舞台の全体像が観れないこともあるけど、いちいち劇場に遠征するぐらいならLVのほうが疲れなくて、楽(笑)

唯一誤算といえば、トイレでしょうか(笑)。劇場に慣れていたので、個数がないことを完全に忘れていました。わりとギリギリになってしまって、めちゃくちゃ焦りました。

 

LVエリザベートが初めてだったけど、演目を二回目みるのも今回が初めてでした。やはりMy初日と比べて感想がやや違うもので…。

・場面一番最初の歌のシーン。薄いベールを被って踊っている人たちがフランツとか子ドルフのような主要キャストであることに初めて気付きました。

・トートの歌。だいぶ安定感が増しました。すっごい安心して聞けた…。もう振り回されてない、自分のものにしたって感じ。

・演者の細かい表情の演技がみれたことが大変満足。これはLVじゃないと分からない。

・パレードの美弥様。もう視線が吸い寄せられる…。瞳が大きい麗しい。華があるってこういうことなんだなと。フランツで抑えてたオーラを群舞では全開にしてたような。スターオーラが留まることを知らない…(アンナ・カレーニナLVあってよかったですね!マジでバウ増築する気かと思いました!)

・最後のデュエットダンス。ちゃぴがステージの下からせりあがってくるときのポーズ…。もう一枚の絵画かと思うほど美しく…あの時の拍手もすごくて。待ってました、と叫びたくなるような気持ち。そしてたま様との文字通り最後のダンス。安定感たっぷりのゆったりとしたリフトと華麗に翻る娘役のスカートは、体重を感じさせない。お互いへの信頼感が垣間見えました。そしてやり切ったときのお二人の表情。「終わったね」「そうだね」みたいな。軽く微笑まれていた気がします。達成感かなぁ…。本当に最高でした。

 

 一番驚いたのは体感時間の短さ。「もう終わり!?」って思いました。前劇場で見たときはやっと終わったか…と思ったものですが。安心して観劇できたということでしょうか。

 

 エリザベートが終わってからのちゃぴのサヨナラショーですが、正直もう泣きっぱなしでした。パレード辺りから涙腺崩壊してたけど、サヨナラショーは本当にきつくて。観たいけど観たくない。始まったら終わってしまう…みたいな複雑な気持ちで。声は出さないようにしてたけど、本当隣の人ごめんなさいという感じ。泣くことはわかってたのでハンカチと、化粧も下地しかしてなかったけど我ながら大正解。

 ちゃぴの白いドレスは本当に神々しくてお似合いで。私が知っている曲は、1789の「神様の裁き」ぐらいだったけど、これ長年のファンはもう堪らないだろうなぁ。

 LVって拍手しないみたいなのですが、めっちゃ拍手したかったです。音立てないように手を叩いてました。

 帰りの電車も、完全に放心状態。ぽや~って帰ってました。次の日も微妙に現実に帰ってなかったけど…。

 

 宝塚って今、過渡期にあるんじゃないかと思っていて(唐突)。

 高度経済成長期の日本の家族のモデルって、夫に妻が三歩遅れて後をついていく…みたいなスタイルだったと思うんですけど、それが宝塚の男役、女役にも反映されていると思うんです。特に娘役は男役にどれだけ寄り添えるかが大事になってくるし、ファンもそこを期待している。

ただ今は男女雇用機会均等法やら女性の社会進出が進んで、女は男と対等!という価値観に緩やかに変化している気もしています。愛希れいかは寄り添うタイプの娘役ではなかったと思いますし、珠城りょうとはパートナー感がすごい強かった。その自立したタイプの新しい娘役像が彼女の人気の秘密というか、自分が愛希れいかが好きな理由でもある気がします(伝統的な娘役像こそ「宝塚の王道」だと思う一方で、寄り添うとか添い遂げとか偶に古臭く思ってしまう自分もいます。複雑)。

ただ宝塚はトップ男役が頂点にたつ、他に類を見ないスタードラフトシステム。娘役がいるから男役が輝くもの。娘役が娘役に寄れば寄るほど、男役もそれっぽく見える。このシステムがなければ、宝塚は他の劇団との差別化が薄れ(もちろん大階段とか羽根とかあるけど)、人気も陰ってしまうでしょう。

 ファンも時代が進むにつれ新陳代謝されていくものですし、今後どんな娘役像が打ち出されるのか、個人的に楽しみです。

 

 これを書いているのも、もはや年末なのですが。そして話がかなり逸れましたが…。

 次回の月組公演のポスターが公開され、改めてちゃぴがもういない現実を突きつけられています。

 またどこかの劇場で、愛希れいか様の歌声が聞けるといいなと思います。

 あと、東宝で『エリザベート』上演してほしいですね!1789と同じく比較してみたいです~

 

 今はひとまず『ファントム』のLVどうしようか、そして花組の仙名さんの退団公演どうしようか考え中です。

 ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

 では!